HealthDayNews –
ビタミンサプリメントが消化管癌のリスク高める
一般的にビタミン剤は、各サプリメントメーカー等によって、がん予防に効果があると言われがちです(例)。 しかしながら、この記事によりますと、その前提すら否定されています。
現在、米国対癌協会(ACS)および米国立癌研究所(NCI)はいずれも癌予防にビタミンサプリメントを推奨しておらず、その予防作用や危険性を納得の行く形で示す証拠も得られていない。(snip)消化管癌リスク低減に確実に役立つのは、やはりスクリーニング検査、禁煙、適切な体重維持である。
それどころか、消化器がんのリスクを高めたというデータも出てきたというのが、このニュースの肝です(確定、ということではありません。念のため)
英国医学誌「Lancet」10月2日号掲載の研究では、このような服用者の癌による死亡リスクが非服用者に比べて高いこと、セレニウムサプリメントでリスクが低減する可能性があることが判明した。
研究は17万人を上回る参加者が関与する14の主要な試験結果をレビューしたもので、β(ベータ)カロテンおよびビタミンA、C、E含有サプリメント服用者が食道、胃、膵臓、肝臓、大腸の癌で死亡する可能性は、試験の半数においてプラセボ服用者に比べて6%高かった。また、サプリメントの危険性はβカロテンとビタミンAの組み合わせで30%、βカロテンとビタミンEの組み合わせで10%上昇した。
こういう実施済みの調査結果をまとめたものを、レトロスペクティブな試験といいますが(事後検証的とでも言えばいいでしょうか)、基本的には、事前に調べたいものを明確にした「プロスペクティブ」な試験を行わなければはっきりした事はいえないでしょう。しかし、Lancetという医学的に最も(といって良い)権威のある雑誌に掲載されたことは、一石を投じる可能性があります。
推定される機序については、リンク元をご覧ください。
いずれにせよ、サプリメントを何種類も摂るということは、あまり宜しくないようです。
また、サプリメントメーカーの過剰広告は、そろそろ終わりにしていただき、適切な広告を行っていただきたいものです。