原爆追悼が政治的に利用されるのは理由があるからだ。

2004/8/07の読売社説に　［広島原爆忌］「反核の訴えに政治を絡めるな」 と、追悼の際、秋葉広島市長が、改憲反対についてコメントしたことを、わざわざ社説で異議を述べたのを見て、ああ、裏で何が起こっているのか知らないのか、隠そうとしているのかなぁ、と思った次第。読売は、秋葉さんが元社民党の国会議員だからとかいろいろ言っているんだけどね。

実は、7月4日に行われた「ワールド・ピース・ナウ」という団体が行ったデモで、逮捕者が出たんです。イラク派兵反対のデモですね。まあ、市民団体に嫌悪感の有る方もいらっしゃるんでしょうけど、デモは正当な権利だから、それはなしということで。

今まで、政治的思想はともかく、穏健な活動として知られていたそうなんですが、デモに当たって当初から、過剰な警察官に私服の公安が参加者の写真を撮りまくるなど、不穏な空気があったそう。で、サンデー毎日の記事などによると、警察側が故意にプラスティックの防護用の楯で回りを囲み、少しでもはみ出したら逮捕してやる、などと脅すという異常な光景もあって。その結果、無抵抗にも係わらず3名が逮捕され、11日間拘禁されたあげく、不起訴で釈放されたという話。

関連：
大木春子のページ　反戦・平和 : こんな雰囲気のデモでした。でも逮捕者３名！
…でもこういう時に「弾圧」って言葉使っちゃダメよ、一種の「テクニカルターム」だから。

一輪庵さん　ピースウォーク逮捕者　続報

なんでも、途中であまりの警備の過剰さに、途中で帰っちゃった人もいるそうだし。
なんか、楯つくものは全て排除、というどうもきな臭い風潮がでつつあって。

そらあ、こういう風に使われても仕方ないような、そんな雰囲気がありますね。
わざわざ、この発言に噛みつく読売も読売で。一般に原爆式典って、多少なりともそちら系の政治色ってあると見る人が多いのに。何をそんなに噛みつく必要があるのか、勘ぐらざるを得ないんですよね。

それに、こんなことですら、「濡れ衣」というか「おとり捜査」みたいなもんで、1つの刑で最大14日間も警察に拘留できる、恐ろしい法律持ってる国なんですぜ。アムネスティインターナショナルに2日以上は「人権侵害」って指摘されているのにね。それに複数の軽微な罪（駐車違反や、警察官を小突いたとして傷害罪）でも、別の罪を作り上げれば、更に14日間拘留できるってことも付け加えないとね。3つなら42日、4つなら56日…。

いずれにせよ、野球だけじゃなく、政治的にも分水嶺に我々はいる訳で。
声をあげ損ねると、無情にいろんなものに押し流されざるを得ない環境って、出来てしまうってことは、みなさんに覚えておいて欲しいんだけども。