参照 – 小生のエントリーの中のTeruさんの「コメント」
イラクでの邦人の略取、および自衛隊撤退要求が再度発生しました。
前回の邦人誘拐のケースから、小生は、「撤退は是とせず」とここでも申し上げました。理由は、これで撤退してしまうと、あらゆる場所で邦人が誘拐・拉致の対象になるということが容易に想像できるからということに他なりません。
ただ、あいにくこの国は資本主義・自由を標榜している国です。金銭目的、あるいは自己顕示欲目的であっても、危険をアナウンスしているからと言って、行くことを完全に禁じる措置を取っていない以上、政府の責任はありつづけます。「事実上の禁止措置」と政府は過去に語りました。でも実際には何もせず、禁止したと「言い張っている」に過ぎません。
ですからメディアに「行くことの問題」について言及する権利もあります。でもそれは政府の責任も均等に論じる必要があるからです。また、行った者がどの程度の決意を持って行っていたか、ということも論じられる必要はあるでしょう。でも、政府が行った行為によって起こっていることを並列に論じてからです。木村太郎氏など保守派の「行くべきではなかった」との発言は、まだ早いように思います。
実際にメディアが撤退して以降、サマワでの自衛隊の活動実態および、住民の反応は正直「大本営発表」と変わりがありません。無論、自衛隊の方の活動を全否定するつもりはありません。しかし、自衛隊が供給している水の量は、日本政府がフランスのNGOに支援した4,000万円で、彼ら以上の成果を挙げていることを無視できるでしょうか。日本はその1000倍の費用をかけて、文民でなく軍隊を送る必要がどこにあったのでしょうか。それについては十分な議論は未だにされていません。
この略取にかかるであろう政府の費用は、本来自衛隊の派遣予算に含まれるべきです。それは「予想されたリスク」であるから。それを無視して「自己責任論」にまたすり替えようとしている、守旧派の見識を小生は全く持って疑うものです。
「邦人誘拐再びと、メディアの論調について。」に5件のコメントがあります
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イラク人質事件について思うこと
TB:wolfyさん 第一報を聞いて、「まさか今のイラクに一般の日本人が行くこた
結局の所、政治目的誘拐事件において、
国民に求められる責任と
(日本国内では犯罪者に対する最高刑であっても、本人の死刑に限定され、
家族への制裁は認められていません。
刑罰法規を見ても、個人の判断がもたらした結果に対する代償として
本人の身体の自由なり生命以上のもの(感謝とか謝罪とか)を要求してはいません。)
政府に求められる責任は
(刑法第3条の2の四によれば、イラク国内でイラク人が犯した犯罪であっても、
日本国民に対して監禁・逮捕等致死傷を犯した者は
日本国の刑法の処罰対象とされています。)
独立した別の責任なのです。従って、両者を帰結関係で論じる者は
己の内心に生じている感情に振り回されて、問題整理の時点で混乱していると思います。
>Teruさん
仰るとおり。
ただ、現状できることの問題もありましょうし、現実として普通の人が、助けてもらえばお礼を言うということは、法律で規定されるべきことではありません。法的な根拠についても前回の誘拐の際に述べております。
blogも掲示板もしかりで、言及する権利はあります。しかし、トレードオフするものはあります。現状は行き過ぎであるとは私も思います。メディアの批判をするのも良いですが、掲示板もblogも小さくてもメディアであることをお忘れの方が多いようだな、とも思います。
少なくとも、今回の被害者(実名報道する必要などないと思いますが)は、軽率だったとのそしりは瞬間受ける必要がわずかにはあるでしょうが、結論が出るまでは、救出に目を向けるべきだと思います。そうでなければ、この国には心なんてないのでしょう。
>結論が出るまでは、救出に目を向けるべきだと思います。
私が色々書いた動機も、まさにこれです。
>メディアの批判をするのも良いですが、
>掲示板もblogも小さくてもメディアであることをお忘れの方が多いよう
自分の発言が問題解決に及ぼす(かもしれない)影響も考えないといけないですから、
新たな情報が入るまで、当面、書きすぎないことが肝心かなと自戒する次第です。
今は今回の人質の行動(事前にイスラエル入りしていたことを含め)と
政府政策が無関係であることを
現地で繰り返し伝えるようにすることぐらいしか、思いつきません。
#首相の「撤退しない」回答は
早速アルジャジーラTVでアナウンスにより言及され、現地でも報じられた模様です。
>現実として普通の人が、助けてもらえばお礼を言うということは、
>法律で規定されるべきことではありません。
内心に対する強制に関し、赤坂御苑での秋の園遊会における
天皇の米長邦雄氏への発言は、
(生まれ故に本人に選択の余地無く、天皇としての立場になったという)
特別な立場ならではの、稀に見る、名手であったように思います。
発言自体は
>米長氏「日本中の学校に国旗を揚げ、国歌を斉唱”させる”事が私の仕事でございます!」
>天皇「強制になるという事でない事が望ましいですね。」
という、天皇という権威の威を借ろうとする者に対する、ごく短い凝集されたものでした。