ライブドアのニッポン放送(JOLF、以下LF)の株式大量購入による、フジテレビ(JOCX、以下CX)の経営参画問題が数日話題になっていますが、根本はプロ野球参入と同じで、堀江氏の判断基準は多くの人が語るところにない、もっと単純な問題だと私はみています。
それは単純に市場価値から見て、割安感が強いか弱いか、その1点だけ。
実際に今回のLF株の38%を購入した金額は、700億円程度と見られています。元々フジ系列はCX-LF-扶桑社-産経新聞と、80年代前半までは「弱者メディア連合」で、株の持ち合いも少ない傾向がありました。結果として、CX-LF間の持ち合い比率が「微妙」になっていて、そこを「村上ファンド」に突かれ、投機的な個人投資家に株がシフトしていたこと。またAM放送の価値が低下傾向であることなどの要因が重なったともいえるでしょうけれど、CXの経営権、というより、関東に集中したネットワークの統括権毎、700億で手に入るなら、正直、割安感が強いと言わざる得ないんじゃないでしょうか。どっちに転んでも、損はしない話…と思っていた筈。
ただ、CXはLFの上場廃止をにらむ動きとなって、「最初からわかっていた」とわざわざ発言する堀江氏は、正直焦っているのではないかと思うのです。それ以上に転換社債を800億も米企業に発行してしまった以上、最終的に日本メディアの米企業の間接支配の構図すらあり得るのではないかと思います。無論、堀江氏は利潤と相場しか見ていませんから、そんなことは知らんふり。そういえばプロ野球参入も、10~30億でできると思っていた(割安感)のが、最終的に100億くらいにまで膨らんで、結果組織構築に失敗した「ふり」を見せて撤退したことを思い起こすと…
そこまで堀江氏というのは聡明ではない、という気がするのですが。
気のせいかな?
「ライブドアの判断基準は「割安感」のみ。」に5件のコメントがあります
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10~30億は買収費用。
100億は新規参入費用。
違うのは当たり前。
>けんじさん
だから参入費用って書いてるんですよ。
表面上一緒に扱ったのはライブドアさんの方じゃないですか?
取り組みはどっちも恣意的でしたけど。
私も堀江氏は聡明とは思わないのです。彼の言動は聡明な人間の言ではないです。単なる傲慢な偏差値エリートの成れの果て、です。私は「東大出」ではないですが、田舎の偏差値エリートの成れの果てですから、学校でああいう人間をよく見てきました。もっともあの年でまだ、あんな感じというのは随分子供っぽいですが。
私もアメリカの会社にうまいこと乗せられたな、と思いました。用がすんだら、どうなることやら。
>D/Tさん
放送法52条13項に、「法人又は団体であつて、イからハまでに掲げる者が業務を執行する役員であるもの又はこれらの者がその議決権の5分の1以上を占めるもの」は日本で放送事業を行うことができない、としていますが、実際にはこれは「放送を行う事業者自体」であって、事業者が日本法人により所有され、その所有法人が外国人/法人が議決権を有していても、問題とはならないように読めることが問題だと思うのです。
エア・カナダをアメリカン航空がオネックス社を介して買収しようとした際に、カナダの裁判所はそれが(外国籍のものが株式を持つことを制限している法律に)違反していると即座に裁定を下し、結果、買収はならなかったことを思い出しますが、日本はそういう司法判断ができないのではないか、と危惧しています。
無論それだけではなく、会社自体を乗っ取って分割し売却し、利益を上げる方法論もありますからね…。