[sarutoruさん「第三者機関と政治の関係」]
非常に個人的になるんだけど、この櫻井よし子さん、私は信用していないんです。彼女を有名にした「ベロテック」という気管支拡張剤(β2刺激薬)問題。この薬、選択性が低く、β1受容体にも作用してしまう為、数回吸入すると心拍数増加等の心作用が強く、過剰吸入で亡くなる方も出ると言う問題が1970年代からニュージーランドで発表され、この国では発売が禁止されているという薬剤です。
私がこの業界に入った12年前から、既に常識であったのですが、彼女は6,7年前でしょうか、この問題に急に目を付け、追求を始めたのです。それも何故か薬害エイズではなくこの問題。既に医師はその「副作用」が無いと「物足りない」と言う患者さんに処方していた状況であるにもかかわらず、猛然と追求を始めるのです。
要するに、素人が一見してわかりにくく、一般の味方であるような、食いつきのよい話題に食いついたことが怪しいと、私には感じられたのです。しかも当時、この問題を「ライフワーク」にするとまで言っていたのです。
猪瀬氏の委員会の問題も、あの委員会は一時猪瀬氏は非主流派であったこと、また委員会としての結論は基本的に総意として出すこととなっている筈ですから、猪瀬氏をターゲットに文句を言うことは、改革を求められていながら玉虫色の結論を出した政府と併せて、格好の攻撃材料であったのでしょう。
また、第3者委員会はこちらのように、政府の都合の良いところのみ採用されることが見えていたこともあったのかも知れません。その辺りの背景を含めて、政府が全く容認できないものを出したときの反応がどうであるか、ということを含めて、猪瀬氏に責任をかけようというのであれば、彼女の人気取り政策にまんまとはめられているように思うんですが。
彼女の持っている政治信条は、基本的には非常に右で、危険性すら感じているので、その口触りの良いところから引っかけていく姿勢が、私には非常にうさんくさいのです。
「櫻井よし子氏の「論説」の背景」に2件のコメントがあります
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こんにちは。僕はベロテックの件は櫻井氏の論を読んでないのでわかりませんが、この件は委員会は最も優れた案を出すのが仕事だと言ったのが正論だということが言いたかったのでした。実際今回の政府案がいかに委員会案と乖離しているかは、櫻井氏のHP、http://www.yoshiko-sakurai.jp/works/index.htmlのworks週刊新潮2003年10月16日号のところを読んでみればイメージできると思います。櫻井氏の言動だからうさんくさいというレッテル貼りで事態をみるとみえなくなるものもあると思います。是々非々でみればいいと思うんです。
乖離自体については、記載している範囲で私の見解としては説明できていると思いますし、委員会案発表後の猪瀬氏の発言については私は理解しています。また政府案発表後の2委員の辞任発言に関して、職務終了で問題なしとしたように、ボールを投げ終え当事者で無くなった責任を委員会に取らせるべきかという問題もあります。
彼女の主張の根幹は私には受容できないものであることは確かですが、彼女の主張はクリアであることも認めます。しかし、彼女のその自分の論説への引きずり方は、非常に妙で、追求すべきところを実はぼかしているのではないか、とすら思えることが多いのです。この問題もその一端であると思います。問題の本質は違います。